おととし2023年の韓国国内のPM2.5=微小粒子状物質の排出量が、前の年より19.3%減少し、2016年以降減少傾向が続いていることがわかりました。
気候エネルギー環境部傘下の国家粒子状物質情報センターがまとめたおととしの「国家大気汚染物質排出量」の算定結果によりますと、おととしのPM2.5の年間排出量は前の年に比べておよそ1万2000トン減って4万7957トンでした。
汚染物質別には、窒素酸化物が4万9000トン、揮発性有機化合物が3万9000トン、硫黄酸化物が5000トン、それぞれ減少したのに対して、アンモニアは3000トン増加しました。
PM2.5の排出量減少については、山火事の被害面積や建築着工面積の減少が大きく影響したと分析されています。
また、硫黄酸化物や窒素酸化物、揮発性有機化合物の減少には、石炭火力発電の割合が低くなったことや老朽ディーゼル車の早期廃車、低公害車の普及拡大など、政府の大気質改善政策の効果が表れたと評価されています。
韓国では2010年代半ば以降、高濃度のPM2.5が社会問題として浮上したことを受け、大気中の汚染を減らす大気質改善政策を強化していて、排出量の減少とともに、PM2.5の濃度も長期的に改善する傾向が続いています。
国家粒子状物質情報センターは、去年の排出量も推計していて、PM2.5は小幅な減少となり、ほかの大気汚染物質はおととしとおおむね同じ水準になるという見通しを示しました。