中国とロシアの軍用機が韓半島周辺で合同訓練を行うなか、韓国の防空識別圏に一時進入して離脱したことがわかりました。領空侵犯はなかったということです。
韓国軍の合同参謀本部によりますと、9日午前、中国とロシアの軍用機あわせて9機が韓国の防空識別圏に進入しました。
このうちロシアの軍用機は、韓国東部の鬱陵島(ウルルンド)と独島(トクト)付近の空域に、また中国の軍用機は、韓国南方の海上にある岩礁・離於島(イオド)付近の空域にそれぞれ進入し、その後離脱したということです。
離於島の上空は、韓国と中国の防空識別圏が重なる区域で、両国の航空機が頻繁に通過する空域です。中国軍機の進入は年間90回から100回ほど確認されています。
今回確認された中ロの軍用機の一部は、両国が実施する合同訓練に参加していた機体とみられます。
軍用機は日本の対馬付近の上空で合流し、およそ1時間にわたり韓国の防空識別圏に留まったということです。
防空識別圏への進入は、国際法上の領空侵犯とは異なり、領空に接近する軍用機を事前に識別するため各国が任意に設定している区域です。
韓国軍は、中国とロシアの軍用機を進入前から確認し、空軍の戦闘機を緊急発進させ、偶発的な事態に備えていたと説明しています。