アメリカ国務省のフリッツ上級副次官補は、韓国が推進している原子力推進潜水艦の建造計画を支持し、これを中国の軍事的な拡張に対応する韓米協力の象徴だと評価しました。
フリッツ副次官補は現地時間の3日、ワシントンで開かれたフォーラムで基調演説を行い、トランプ大統領が韓国の原子力推進潜水艦の建造計画を支持していることについて、「地域の脅威に立ち向かう集団的能力を強化する二国間協力の例だ」と述べました。
ここで指摘された「地域の脅威」には、北韓の核・ミサイル能力に加え、最近、台湾海峡や南シナ海で軍事活動を拡大している中国も含まれているものとみられます。
韓国の原子力推進潜水艦は、原子炉を動力源とするもので、核兵器の搭載とは関係がないとされています。
フリッツ副次官補は、韓米同盟が「これまでになく強力だ」と強調したうえで、核の傘などの拡張抑止の強化や北韓の完全な非核化、台湾海峡や南シナ海の平和と安定の維持の3つの分野での協力関係が確立していると説明しました。
また、韓国の造船産業の技術力に触れ、造船分野が韓米の協力において重要な役割を担っていると評価しました。
さらに、韓米間で進められてきた関税や安全保障をめぐる交渉の結果をまとめた「ファクトシート」にも言及し、韓国がトランプ大統領による「アメリカの再産業化戦略」の中核を担うパートナーだと強調しました。
この「ファクトシート」には、韓米の造船・防衛産業・原子力における協力をはじめ、韓国の大規模な対米投資、拡張抑止の強化、台湾海峡の安定維持などが盛り込まれています。
また、フリッツ副次官補は、「拡張抑止へのコミットメントは確固として維持されており、北韓の完全な非核化を引き続き促している」と述べました。