韓国最大のネット通販企業「クーパン」の個人情報流出をめぐって、利用者らが初の損害賠償請求を行いました。
原告のクーパンの利用者14人は1日、クーパンに対し、1人あたり20万ウォンの慰謝料を求める訴状をソウル中央地方裁判所に提出しました。訴訟の代理人側は、「流出範囲が確定するのを待てば救済が遅れる可能性があるため、先制的に訴訟を提起した」と説明しました。
20万ウォンという金額は、ことし5月に通信大手「SKテレコム」で個人情報が流出した際、個人情報紛争調整委員会が加入者1人につき30万ウォンを補償するよう勧告した事例を参考にしたものだということです。
原告側は訴状で、クーパンの個人情報保護措置が不十分だったと指摘したほか、住所や購入履歴が流出したことで、利用者のプライバシー侵害や特殊詐欺などの2次被害の可能性が懸念されると主張しました。
クーパンに対する損害賠償訴訟をめぐっては、参加者を募るオンラインコミュニティの会員数が急増していて、今後、規模が拡大するものとみられています。大手ポータルサイト「ネイバー」上には、10あまりの集団訴訟コミュニティーが開設され、会員数は合わせて20万人を超えています。
法曹界では、今回流出した顧客アカウントが3370万件に上ることから、個人情報流出をめぐる国内の集団訴訟として過去最大規模になる可能性があるとの見方をしています。