韓国の世論調査で、「非常戒厳」を宣言したことで弾劾訴追され、罷免された尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領について、「過ちが多い」と評価する割合が77%に上り、歴代大統領の中で最も高くなったことがわかりました。
これは、世論調査会社「韓国ギャラップ」が今月25日から27日にかけて、全国の18歳以上1000人を対象に実施したもので、「功績が多い」「過ちが多い」の二者択一で問う内容となっています。
今回初めて対象に含まれた尹前大統領については、「過ちが多い」が77%、「功績が多い」は12%でした。ギャラップは「収監され裁判が進む中で、評価が非常に否定的になっている」と分析しています。
続いて「過ちが多い」との回答が多かったのは、軍事クーデターで政権を掌握し、1980年の光州(クァンジュ)民主化運動を武力で鎮圧した全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領で68%でした。また、知人の国政介入で弾劾罷免された朴槿恵(パク・クネ)元大統領が65%、全元大統領による軍事クーデターに加担した盧泰愚(ノ・テウ)元大統領が50%となっています。
一方、「功績が多い」との評価が最も高かったのは盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領で68%、続いて朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領が62%、金大中(キム・デジュン)元大統領が60%でした。
盧武鉉元大統領については、生前は評価が割れたものの、透明性を重視した行政運営や、市民参加を促す政治姿勢が、近年あらためて評価されているとみられています。
また、朴正熙元大統領については、長期の独裁体制をとった一方で、韓国の高度経済成長を主導した点が高く評価されており、その功罪をめぐって評価が分かれていると指摘されています。