おととし夏の集中豪雨の中で殉職した韓国海兵隊員の事故をめぐり、上層部が捜査に不当に関与した疑いについて、特別検察官チームは150日間の捜査を終え、21日に起訴された尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領や李鍾燮(イ・ジョンソプ)前国防部長官ら12人を含む、計33人を起訴したと発表しました。
おととし7月、韓国南東部の慶尚北道(キョンサンブクト)醴泉(イェチョン)郡で行方不明者の捜索にあたっていた海兵隊のチェ・スグン上等兵が、安全装置を身に着けないで出動させられ、急流に巻き込まれて命を落としました。
当時、海兵隊の捜査団は、現場の師団長らに業務上過失致死の疑いがあると判断しましたが、尹前大統領が「強い怒り」を示した直後から、大統領室や国防部の幹部らが捜査結果の修正に圧力をかけたとされています。
特別検察官は、「捜査業務の独立性と公正性は、大統領であっても侵害してはならない」と指摘し、今回の行為は明白な職権乱用だと結論づけました。
また、正当な手続きを踏んだ海兵隊捜査団長に対して、報復的な人事措置が取られていたことも明らかにされ、「重大な権力犯罪であり、裁判所の厳正な判断が求められる」としています。
一方、当時の師団長によるロビー活動の疑惑については、証言協力が得られず、立件には至りませんでした。
特別検察官チームは今後、同様の事態を防ぐため、大統領が個別事件に関与できないよう制度の見直しが必要だとし、「今後は公訴維持に全力を尽くす」と述べています。