韓国や日本、それにヨーロッパ、東南アジアの国々を含む国連加盟44か国は、特殊詐欺による新たな形態の人身売買が拡大しているとして、国際社会に迅速な共同対応を呼びかけました。
韓国などの44か国は現地時間の24日、ニューヨークの国連本部で開かれた国連総会の人身売買対策に関するハイレベル会合に先立って、共同声明を発表しました。声明は、カンボジアで韓国人が拘束され殺害された事件を受け、韓国が主導して作成されました。
最近、東南アジア地域で、オンラインでの求人広告を装って人を誘い込み、監禁したうえでオンライン詐欺などの犯罪に関与させる事件が相次ぎ、特殊詐欺拠点の問題が国際社会の主要な懸案となっています。
声明では、人身売買組織が経済難やデジタルプラットフォームを悪用して、活動を急速に拡大していると指摘しました。また、こうした犯罪は、性搾取や強制労働など多様な人権侵害につながっており、「この問題から自由な国はない」と警告しました。
そのうえで、政府だけでなく、民間や市民社会がともに関与する国際協力が不可欠だと強調し、被害者の識別や法執行の強化、生存者への支援、世論の啓発などを重点課題として挙げました。
国連総会は、2010年に国連で採択された、人身売買対策のための世界行動計画の履行状況を確認するため、2013年から4年ごとにハイレベル会合を開いています。