ことし9月、現代(ヒョンデ)自動車などが建設中のアメリカの工場で韓国人労働者およそ300人が拘束された問題で、その後、韓国に帰っていた労働者の一部が、問題となっていた従来のビザで再びアメリカの現場に復帰していたことがわかりました。
アメリカの移民当局は当時、現代自動車などの合弁会社がジョージア州で建設中のバッテリー工場で働いていた韓国人労働者らが所持していた短期ビザ「B-1」が、アメリカ国内での本格的な労働を認めていない点を理由に労働者およそ300人を拘束しました。
この「B-1」ビザは本来、会議や契約交渉への参加など、短期の業務目的の滞在に限られ、現場での本格的な労働はビザの範囲外とするのがアメリカ側の従来の判断でした。
しかし、最近、一部の労働者が従来の「B-1」ビザで支障なく入国していたことが明らかになりました。
現地の韓国人会やメディアによりますと、米当局に拘束された後、韓国に帰国していた一部の韓国人労働者が、以前に発給された「B-1」ビザだけで再入国したことが確認されたということです。
韓国人労働者の大規模な拘束を受け、韓国政府はアメリカ政府と協議を行い、韓国企業がアメリカで購入した設備の設置・点検・保守作業のために滞在する場合は、このビザの範囲内で可能だということを公式に確認しました。これまでこのビザの活用範囲については、解釈の違いで議論がありましたが、今回の協議で整理された形です。
ただ、すべての労働者が復帰を望んでいるわけではありません。拘束時の衝撃や不安からアメリカ行きを断念した人もいるほか、一部はアメリカの移民当局を相手取って、人権侵害を訴える訴訟まで検討しています。