韓国で最も古い原子力発電所、古里(コリ)原発2号機について、停止中だった運転を再開し、2033年までおよそ7年間延長することが決まりました。
韓国の原子力安全委員会は13日、釜山・機張(キジャン)郡にある古里2号機の運転期間を10年延長する案を、6人中5人の賛成で議決しました。
ただ、延長は設計寿命の終了時点を基準に10年と定められているため、古里原発の再稼働期間は、設計寿命が終わって運転が停止したおととし4月から10年となる2033年4月までとなります。
古里原発2号機は、1983年4月に商業運転を開始し、40年の設計寿命が終了したおととし4月から運転を停止しています。文在寅(ムン・ジェイン)政権の「脱原発政策」以降、初めて原発の運転期間の延長が決定されました。
現在、韓国国内で運転または建設中の原発30基のうち、設計寿命を超えて運転期間を延長した原発は、古里原発2号機が3基目です。
運営を担う韓国水力原子力は、3か月以内に古里原発2号機を再稼働させる計画です。
年間の発電量は、通常60~70万世帯が同時に使用できる650メガワットです。
一方、今回の決定により、2029年までに設計寿命の終了を控えるほかの「古くなった原発」9基の延長審査にも、影響が及ぶかが注目されています。
韓国は原発依存度の高い国で、国内の電力生産に占める原発の割合はおととしの時点で、全体の31.5%となっています。
設計寿命の来る原発の運転期間の延長は、電力供給に直結するため、重要な政策課題となっています。