韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は、29日、慶州(キョンジュ)で開かれた韓米首脳会談で、アメリカのトランプ大統領に対し、「韓国に原子力潜水艦の燃料を供給できるよう決断してほしい」と要請しました。
会談の中で李大統領は、「私たちが作ろうとしているのは核兵器を搭載した潜水艦ではなく、通常兵器を備えた防衛用の潜水艦だ」と述べ、「ディーゼル潜水艦は潜航能力が劣るため、北韓や中国の潜水艦を追跡するのに限界がある」と説明しました。
さらに、「燃料の供給が認められれば、韓国型原子力潜水艦を運用してアメリカ軍の負担を軽減できる」と強調しました。
今回の発言は、韓国が独自の原子力潜水艦を推進する根拠をアメリカ側に正式に求めた初めての事例で、1956年に締結され、2015年に改定された「韓米原子力協定」のさらなる改定問題とも関係しています。
現在の協定では、韓国はウランの濃縮や使用済み燃料の再処理が制限されており、潜水艦用の高濃縮ウランは使用できません。
トランプ大統領はこの要請に対してどのような反応を示したかはまだ明らかになっていません。
外交関係者の間では、アメリカがNPT=核拡散防止条約体制や国際的な不拡散原則を考慮し、慎重に検討を進めるとの見方も出ています。
李大統領はまた、「韓米関係を未来型の包括的戦略同盟へ発展させたい」と述べ、「防衛費の増額や防衛産業の強化によって自主防衛力を高め、アメリカの負担を減らす」と強調しました。
さらに、「対米投資と購入拡大を通じてアメリカの製造業復興を支援し、造船分野での協力も深めていきたい」として、「両国経済と同盟関係のさらなる深化を図る」と述べました。