アメリカのベッセント財務長官は、韓国とアメリカの通商協議について、今月末に開かれる韓米首脳会談までに妥結するのは難しいとの見方を示しました。
トランプ大統領のアジア歴訪に同行しているベッセント長官は、記者団の質問に答え、「韓米首脳会談までに協議がまとまるのか」という質問に対し、「まだそこまではいっていない」と述べました。協議は最終段階に近づいているものの、詳細をめぐる調整が残っているためとみられます。
先週トランプ大統領が「韓国さえ準備ができていれば、こちらはいつでも準備ができている」と述べ、早期妥結を促した姿勢とは対照的で、今回は一歩引いた態度を見せた形です。
一方で、トランプ大統領はアメリカの造船業を再興させるためには韓国との協力が不可欠だと強調しました。
韓国はことし7月、造船業向けの1500億ドルを含む総額3500億ドル規模の対米投資計画を進めることでアメリカと合意していて、これに合わせてアメリカ側は韓国製品に課していた相互関税を25%から15%に引き下げる方針を示しました。
しかし、投資ファンドの構成方式や履行の時期をめぐる調整が続き、協議は3か月にわたって決着していません。
今月29日の韓米首脳会談をきっかけに、協議が大きく進展するかどうかは依然として不透明です。ただ、造船業を中心とした両国の実質的な協力はすでに進みつつあり、産業の再建を目指すアメリカと、高い技術力と資本を持つ韓国が、造船業を通じて協力を本格化させるかどうか、注目されています。