カンボジアの代表的な犯罪拠点の背後にいるとされる「プリンスグループ」が、韓国国内の銀行にもおよそ912億ウォンを預金していたことがわかりました。
カンボジアの首都プノンペン近郊にある「太子団地」は、オンライン詐欺や監禁、暴行が日常化した犯罪拠点として知られています。
アメリカ司法省の訴状によりますと、この団地をはじめとする複数の犯罪拠点の背後には、中国出身の実業家、陳志氏が設立したカンボジアの大手企業グループ「プリンスグループ」があるということです。
世界各地の被害者の損失は、総額で数十億ドルに達しているということで、陳氏が「死なない程度に殴れ」と指示し、自ら暴行に加担したことも明らかになりました。
陳氏は中国など各国の高官に賄賂を提供し、仮想通貨を利用して資金洗浄を行ったとされています。表向きは不動産・建設企業を装い、正常な企業のように活動していたということです。
この犯罪組織の資金の一部が、韓国の市中銀行の現地法人を通じて流入していたことも明らかになりました。
現在、韓国の4つの銀行に預けられている金額はおよそ912億ウォンで、金融当局は資産凍結を検討しています。この4つの銀行は、アメリカの制裁発表直後にプリンスグループの口座を凍結したと明らかにしました。
韓国政府は今後、プリンスグループなどカンボジアの犯罪組織が韓国人被害者から得た資金が韓国国内に流入していないかを綿密に調査し、国際的な捜査協力を積極的に進める方針です。