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国際

カンボジアはなぜ犯罪の温床になったのか

Write: 2025-10-21 13:58:48Update: 2025-10-21 14:07:42

カンボジアはなぜ犯罪の温床になったのか

Photo : YONHAP News

カンボジアが、振り込め詐欺や投資詐欺、ロマンス詐欺などの特殊詐欺の温床となっています。最近では、韓国人を狙った誘拐や監禁事件が相次ぎ、カンボジアを怖がる「カンボジア恐怖症」という言葉まで登場するなど、韓国国内で不安が高まっています。
 
かつて、特殊詐欺グループなど国境をまたいだ犯罪組織の拠点は、中国、タイ、ラオス、ミャンマーなどに点在していましたが、それらの拠点がここ数年でカンボジアに移動してきたとされています。
 
中国政府が賭博の取り締まりを強化したことを受け、中国系の犯罪組織が活動の自由がきくカンボジアへ拠点を移したことが背景にあります。
 
これに加え、カンボジアでは、およそ25万ドルを支払えば容易に市民権を取得できることから、中国をはじめとする犯罪者が大量に流入しました。
 
カジノやリゾート、ホテルを拠点に「特殊詐欺犯罪産業」を拡大してきた犯罪組織は、新型コロナでカジノの運営が難しくなると、施設をオンライン詐欺の拠点へと転換し、外国人を誘い込んで監禁して働かせる構造へと移行しました。
 
一方、カンボジアでは犯罪組織と警察・軍・司法など公権力との癒着も、犯罪拡大を助長しているとの指摘が出ています。
 
今月14日、大規模な人身売買や拷問、詐欺犯罪に関与したとして、アメリカとイギリス政府の制裁対象となった中国出身の実業家、プリンスグループの陳志会長は、単なる実業家ではなく、カンボジア政権の金融を管理する人物とされています。
 
国際人権団体の「アムネスティ・インターナショナル」は、カンボジア全土に有刺鉄線と電気フェンスで囲まれた犯罪拠点が少なくとも53か所、同様の施設が45か所存在すると指摘しています。
 
また、国境をまたいだ犯罪の専門家であるハーバード大学アジアセンターのジェイコブ・シムズ研究員は「カンボジアにおいて、犯罪産業は政権維持の中核的な原動力であり、政府の取り締まりは犯罪の根絶ではなく利益の付け替えに近い。カンボジアは事実上『詐欺国家』になり果てた」と分析しました。
 
シムズ研究員は、こうした犯罪産業には少なくとも15万人が動員されていて、年間190億ドル、カンボジアのGDP=国内総生産の60%に達する収益を上げているとしています。
 
最近、カンボジア当局の取り締まりで逮捕され、韓国に送還された容疑者64人のうち59人も、カンボジア政府が犯罪団地を取り締まる過程で身柄を拘束されました。
 
専門家は、「カンボジア政府の見せかけの取り締まりに終わらせないためには、国際的な協力と資産凍結などの強力な制裁が必要だ」と警告しています。

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