Photo : YONHAP News / Seoul Southern District Prosecutors' Office
ことし5月にソウル地下鉄5号線の列車内で放火し、乗客を殺害しようとした罪で起訴された60代の男が、1審で懲役12年を言い渡されました。
ソウル南部地方裁判所は14日、殺人未遂罪や現存電車放火致傷罪、鉄道安全法違反の罪で拘束起訴された男に対し、懲役12年と保護観察3年を言い渡しました。
男は5月31日午前8時42分ごろ、地下鉄5号線の汝矣(ヨイ)ナル駅と麻浦(マポ)駅の間のトンネル区間を走行中の列車で、床にガソリンをまいて火をつけ、乗客160人を殺害しようとしましたが、未遂に終わったとされています。
この火災で、男を含む23人が煙を吸って病院に搬送され、129人が現場で応急処置を受けました。また、列車1両の一部が焼損するなど、3億ウォンを超える被害が発生しました。
調査の結果、男は離婚訴訟で不利な判決が出たことに不満を持ち、自ら命を絶つつもりで犯行を決意したということで、社会的関心を集めようと公共交通である地下鉄での放火を計画したということです。
犯行前にガソリンを事前に購入し、定期預金や保険、ファンドなどを解約して全財産を整理したあと、親族に送金するなど身辺整理をしていたことも確認されました。
懲役12年を宣告した理由について裁判所は、「多数の乗客が乗っている列車で火をつけたのは、極めて危険で反社会的な犯行であり、被害者と社会に深刻な不安を与えた」として説明しました。