ことしのノーベル経済学賞を共同で受賞した、アメリカのブラウン大学のピター・ホーウィット教授と、ノースウェスタン大学のジョエル・モキイア教授が、韓国経済が今後も持続的に成長するためには「開放」と「競争」を維持することが重要だと指摘しました。
ホーウィット教授は現地時間の13日、ノースウェスタン大学で開かれた受賞後の記者会見で、「革新を続けるためには、確固とした反独占政策によって市場の競争性を確保する必要がある」と強調しました。市場が競争的であるほど、先導的な企業はリーダーの地位を守るためにより多くの革新を試みると述べ、政府がそうした環境を整えるべきだとしました。
また、近年アメリカで進んでいる独占の強まりや保護貿易の傾向が革新を抑えていると指摘し、「貿易戦争が起これば市場の規模が縮小し、革新の意欲が弱まる」と警鐘を鳴らしました。
一方、モキイア教授は、韓国は1950年代の貧困国から世界有数の豊かな国へと発展した「奇跡の事例」だと評価しました。そのうえで、これまで維持してきた開放と技術革新の姿勢を今後も保ち、国境を開いて世界のアイデアや技術を積極的に取り入れることで、少子化などの制約を克服できると述べました。
スウェーデン王立科学アカデミーは13日、ことしのノーベル経済学賞をホーウィット教授、モキイア教授、そしてフランスの高等教育機関・コレージュ・ド・フランスのフィリップ・アギヨン教授の3人に授与すると発表しました。イノベーションが持続的な経済成長を促す条件や仕組みを解析した功績が評価されたものです。