車が勝手に加速する「急発進」が起きたとドライバーが主張する交通事故の鑑定件数が、去年の半分以下に減ったことがわかりました。
国立科学捜査研究院の資料によりますと、ことし1月から8月までに研究院が鑑定した、ドライバーが「急発進」と主張する事故は合わせて40件で、去年の同じ期間の96件に比べて半分以下に減ったということです。
鑑定件数は、2021年51件、2022年67件、おととし105件、去年133件と増加を続けていましたが、ことしに入って大きく減少しました。
研究院の関係者は、「2022年に、『急発進』によるものと疑われる江陵(カンヌン)での事故が大きく報道され、似たような主張が増えたが、そのほとんどがドライバーのペダルの踏み間違いによるものだったことがわかり、ドライバーの意識が変わった」と説明しています。
研究院が2021年からことし8月までに鑑定した396件のうち、「急発進」と確認された事例は1件もなく、およそ86%にあたる340件は、ペダルの踏み間違いによるものと結論づけられました。
こうしたドライバーの意識の変化を受け、ペダルの踏み間違い防止装置の普及事業も拡大する見通しです。
この装置は、車両前後のセンサーやカメラで障害物を検知し、ドライバーが誤ってアクセルを強く踏んでも急加速しないよう抑制する仕組みです。
韓国交通安全公団が去年、65歳以上のタクシードライバー60人の車両に装置を設置したところ、3人の車両から合わせて9回のペダルの踏み間違いが確認されましたが、いずれも事故にはつながらなかったということです。