韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が、海外メディアのインタビューに応じ、自らが掲げる北韓の非核化に向けた「凍結・縮小・非核化」の三段階方式のうち、第一段階の「北韓の核凍結」について、「非核化に向けた暫定措置であり、現実的な代案になり得る」と述べました。
李在明政権が掲げる三段階方式は、北韓の完全な非核化を一度に実現するのは難しいとする前提に立ち、まずは核とミサイルの活動を凍結し、次に戦力を縮小、最終的に非核化に至るという段階的な構想です。
李大統領は22日に公開されたBBCとのインタビューで、「北韓は、年間15基から20基の核兵器を追加生産している」と指摘しました。また、「核の凍結は臨時の非常措置として、実行可能で現実的な代案だ」としたうえで、「最終的な目標である非核化に向けて成果のない試みを続けるのか、それともより現実的な目標を設定するのかが鍵だ」と強調しました。
李大統領はまた、アメリカと北韓の交渉再開の可能性に触れ、「もしトランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が、暫定措置として核生産の凍結で合意するなら受け入れられる」との認識を示しました。
一方、李大統領は、韓米間の関税交渉にも言及しました。両国は、先月の首脳会談で通商協定や投資に関する大枠の合意に至ったものの、関税をめぐる詳細な協議が続いています。
李大統領は19日に行ったロイターとのインタビューで、韓米の関税交渉について、「できるだけ早期に解決したい」としたものの、3500億ドル規模の対米投資をめぐっては、「商業的な妥当性をどう担保するかで意見の相違がある」と指摘しました。
そのうえで、「通貨スワップがないまま、アメリカが求める方式で投資を行えば、韓国は1997年の通貨危機のような状況に直面しかねない」と懸念を表明し、安全策のないアメリカの要求は、そのままうけ難しいとの立場を明らかにしました。
また、先月行われたトランプ大統領との初めての首脳会談については「共同声明や具体的な合意はなかったが、個人的な信頼関係を築くことができた」と説明しました。