イランの核開発プログラムに伴う制裁を続けるための国連安全保障理事会の決議案採決で韓国が棄権したことについて、韓国外交部は21日、「イランの核問題の平和的・外交的解決を支持するとの立場の下、さまざまな要素を多角的に考慮した」と明らかにしました。
国連安保理は現地時間の19日、イランに対する制裁停止を続ける決議案について採決を行い、フランス、イギリス、アメリカなど9か国が反対して否決され、28日から制裁が復活することになりました。この決議案にはロシア、中国、パキスタン、アルジェリアの4か国が賛成し、韓国とガイアナは棄権しました。
韓国が棄権したのは、イランとの関係を考慮したためとみられます。
趙顕(チョ・ヒョン)外交部長官は採決を控えた19日、イランのアラグチ外相と電話会談し、「問題解決のための外交の窓が依然として開かれているだけに、すべての関係国が対話と交渉を通じて外交的に解決する努力を続けていくことを期待する」と述べ、制裁よりも交渉に重きを置く姿勢を示しました。
ただ、イランの違法な核開発を制裁しようとする安保理採決で韓国が棄権したことで、北韓の核問題に対して国際社会の断固たる対応を求めるうえで支障が生じるとの懸念も出ています。
これについて、韓国政府の当局者は、「北韓の核問題を解決するために制裁に加わろうという立場からみると、イランの問題でも明確に反対の立場を表明すべきだったのではないかという指摘が出る可能性があるが、それを上回るほどイランとの関係についても悩まざるを得なかった」と説明しました。