靖国神社に遺族の同意なしに合祀されている韓半島出身の軍人や軍属の遺族が、日本政府と靖国神社を相手取って合祀の取り消しを求める訴えを再び起こしました。
犠牲者の孫にあたるパク・ソンヨプさんら遺族6人は19日、「靖国神社に無断で合祀され、精神的な苦痛を受けた」として、東京地方裁判所に訴えを起こしました。パクさんの家族3人が1人当たり40万円、ほかの原告3人がそれぞれ120万円の損害賠償と合祀の取り消し、そして謝罪を求めています。
6人は「日本政府が戦没者の名簿を靖国神社に提供したため、無断で家族を合祀されて精神的な苦痛を受けた。政教分離を定めた憲法にも違反している」と主張し、国に賠償を求めるとともに、靖国神社には合祀の取り消しなども求めました。
日本政府は、太平洋戦争で亡くなった自国の軍人だけでなく、強制的に参戦させられた韓国人戦没者の名簿も靖国神社に提供し、韓国人も太平洋戦争のA級戦犯とともに合祀されています。靖国神社に合祀された韓国人は2万人あまりに上ると推定されています。
靖国神社に韓国人が合祀されたことは、1990年に入って明らかになり、市民団体や遺族らが2000年代以降、合祀の取り消しを求める訴訟を数回にわたって起こしてきましたが、日本の裁判所は違法性はないと判断しました。
直近では、日本の最高裁判所がことし1月、韓国人の遺族27人が合祀の取り消しを求めて2013年に起こした訴訟の上告審判決で、賠償を求めることができる期間が過ぎているとして上告を退け、原告の敗訴が確定しました。