韓国のGDP=国内総生産に対する政府負債の比率が47.2%となり、1990年に統計が作成されて以降、最も高くなりました。
BIS=国際決済銀行によりますと、ことし3月の第1四半期末の時点で、韓国のGDPに対する政府債務の比率は47.2%でした。
韓国のGDPに対する政府負債の比率は、2020年第1四半期に初めて40%を超えて以降、着実に上昇し、35年ぶりに最高水準となりました。政府債務の規模は1212兆ウォンに達し、過去最大でした。
債務比率が上昇した理由として、景気の減速で名目GDPが停滞している中、政府が財政拡張を進めたことが影響したとみられています。
韓国の中央銀行にあたる韓国銀行の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は、「財政が一定の役割を果たす必要はあるが、国の債務が増え続ける方向は望ましくない」と指摘しました。
ただ、韓国の政府債務の比率は、OECD加盟28か国のうち18位で、日本やアメリカなど主要国よりは低い水準です。
一方、減少傾向をみせている家計債務の比率は89.5%で、2019年以来の最低水準を記録しましたが、OECDでは6位と依然として高い水準でした。
企業債務の比率は111.3%と小幅に上昇しました。これにより、政府・家計・企業を合わせた国家総債務は6373兆ウォンとなり、過去最大となりました。