韓国がアメリカにとって最大の投資国となるなかで、韓国人のアメリカ国内での活動は、依然として厳しいビザ制度のため、妨げられているという指摘が出ています。
こうした問題は、最近アメリカのジョージア州にある韓国企業の電池工場で、韓国人およそ300人が不法移民として摘発され拘束されたことをきかっけに、浮き彫りになっています。
韓国の日刊紙「東亜日報」がアメリカの国務省の資料を分析したところによりますと、去年韓国人に発給された専門職(H1B)、投資を通じてビジネスを行う投資駐在員(E2)、駐在員(L1)のビザは全体のわずか3%の1万2000件あまりにとどまりました。これらのビザは、アメリカで正式な給与をもらいながら働くために欠かせないものです。
同じ時期、日本は、アメリカが発給した投資駐在員ビザの28%、インドは、専門職ビザの69%を取得しています。
一方、イギリスの経済紙、フィナンシャル・タイムズ(FT)が国連貿易開発会議(UNCTAD)のデータを分析したところによりますと、アメリカへの国別の直接投資額は、2023年に韓国が215億ドルで1位でした。これは、日本のおよそ2倍に上ります。
韓国はアメリカ国内に工場や事業所を直接建設する「グリーンフィールド投資」に積極的ですが、これに見合うビザ優遇措置は受けられないでいます。実際、ことしに入って韓国にあるアメリカ大使館が発給した投資駐在員ビザは、前の年の同じ期間に比べて36%減少しました。
専門家は、「韓国の大規模な投資がアメリカ国内の雇用創出に貢献している以上、合法的なビザ制度の改善がいそがれる」と指摘しています。