尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の妻、金建希(キム・ゴニ)氏をめぐる複数の疑惑を捜査している特別検察チームは、取り調べを行った翌日の7日、拘束令状を請求しました。金氏が主な疑惑を全て否定していることから、証拠隠滅の恐れがあると判断したということです。
今月6日午後、金氏を呼んで11時間にわたる取り調べを行った特別検察チームは、翌日の7日、資本市場法及び政治資金法違反などの容疑で拘束令状を請求したと発表しました。
金氏は、「ドイツ・モーターズ」の株価操作をめぐる疑惑、公認候補選びへの介入疑惑、高級バッグやダイヤモンドのネックレスなどを受け取ったうえで、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)関連の案件に便宜を図るように依頼された疑惑など、あわせて16件の疑惑が持たれています。
金氏は、黙秘権の行使はしていないものの、ほとんどの主な疑惑を否定したということです。
特別検察チームは、取り調べ後に会議を行い、金氏が全ての疑惑を否定していることや、犯罪が重大であることから、証拠隠滅の恐れが大きいと判断し、拘束令状の請求に踏み切ったと明らかにしました。
また、特別検察チームは、7日に行ったブリーフィングでも、「拘束の要件を満たしていると判断した」と説明しました。
金氏に対して拘束令状を出すかどうか判断するための審査は12日午前10時10分、ソウル中央地方裁判所で行われ、拘束令状の発付が決まれば、前職の大統領夫婦が拘束される未曽有の事態となります。