韓国政府は、海上で漂流中に救助された北韓住民6人を近く船で北韓に送り返す方針を固めたことがわかりました。
 
韓国統一部は7日の定例会見で、「東海と西海で救助された北韓住民6人全員が北韓への帰還を強く希望している」として、「人道的見地から速やかかつ安全に彼らを送還するというのが政府の立場だ」と明らかにしました。
 
ただ、送還に関する具体的な内容についてはコメントを控えました。
 
送還は、北韓住民が乗ってきた木造船に再び乗せ、海上のNLL＝北方限界線まで案内し、その後、自力航行する形がとられる見通しです。
 
また、北韓が「海上送還」計画に応答しない場合でも、気象条件が整い次第、早ければ今週中にも送還する可能性があります。
 
6人の北韓住民は、2人が3月7日に西の海の西海上で、4人は5月27日に東の海の東海上でそれぞれ漂流中に救助されました。6人は政府当局による調査の初期段階から北韓への帰還意思を強く表明していたと伝えられています。
 
南北の連絡チャネルが断絶されているなか、韓国政府は、6人の送還意思を国連軍司令部を通じて北韓に伝えたほか、報道発表などを通じて明らかにしましたが、北韓からの応答はなく、北韓住民はおよそ4か月にわたり韓国に滞在しています。
 
北韓住民の送還は、船舶の状態に応じて海上または板門店を通じて行われてきましたが、国連軍司令部は北韓との事前調整なしに陸路で送り返すことに否定的であるため、韓国政府は海上を通じた送還を検討してきました。