李在明(イ・ジェミョン)大統領は29日、政権の重要課題である検察改革を進めるため、法務部長官と行政安全部長官に与党「共に民主党」の重鎮を起用する人事を発表しました。
法務部長官には、与党の鄭成湖(チョン・ソンホ)国会議員(63)が指名されました。当選5回の鄭議員は李大統領と司法研修院18期の同期で、38年来の近しい関係にあり、大統領の最側近とされています。
また、行政安全部長官には、与党の尹昊重(ユン・ホジュン)議員(62)が指名されました。尹議員も当選5回の重鎮で、大統領選挙では李大統領側の選挙対策本部長を務めました。
法務部と行政安全部は、それぞれ検察と警察を所管する省庁であり、そのトップに李大統領が最側近を起用したことは、検察改革に対する強い意志の表れだと受け止められています。
このほか、政府高官の不正の監視や法務などを担う大統領室の民情首席秘書官には、奉旭(ボン・ウク)弁護士(59)が起用されました。奉氏は法務部や検察の要職を歴任し、制度改革の実務を統括する役割を担うとみられています。
韓国の検察は現在、捜査、起訴、捜査指揮のすべての権限を持っていますが、李大統領はこのうち捜査権を新設される重大犯罪捜査庁に移管し、検察は起訴と公訴の維持に専念させる制度改革を目指しています。
一方、今回の閣僚人事では、企画財政部など6つの省庁でも新たな長官候補が発表され、19の政府省庁のうち国土交通部と文化体育観光部を除く17の省庁で長官候補が出そろいました。
発表された候補者のうち、7人は現職の「共に民主党」所属の国会議員で、国務総理候補の金民錫(キム・ミンソク)氏を含めると8人にのぼります。特に経済・司法分野に改革志向の人物が多く起用されているとされています。
与党主導の内閣体制が本格化することで、大統領室と与党の連携がさらに強まるものとみられています。