韓国南西部、全羅南道(チョンラナムド)の務安(ムアン)国際空港で発生した済州(チェジュ)航空の旅客機事故は、飛行機の着陸を補助する誘導装置「ローカライザー」の下部に設置されていた硬いコンクリート製の構造物が、被害を拡大させたと指摘されています。こうした指摘を受け、政府が全国の空港を調査したところ、務安空港を含め、全国7か所、9つのローカライザーでコンクリート製の構造物が確認されました。
韓国国土交通部は、今月2日から8日にかけて、全国の空港で行った、ローカライザーの特別点検の結果を13日、発表しました。
それによりますと、務安空港、光州(クァンジュ)空港、麗水(ヨス)空港、浦項慶州(ポハン・キョンジュ)空港には、それぞれ1つずつ、ローカライザー下部にコンクリート製の構造物がありました。
また、金海(キメ)空港と泗川(サチョン)には、コンクリート製の基礎が一部地面の上に飛び出している構造物が2つずつあったほか、済州空港にはローカライザー下部に、頑丈なH字型の鋼材がありました。
これらのローカライザーは、下部の構造物が地面より高くなっていたり、硬いコンクリート製になっていることから、今回の旅客機事故のように、航空機が滑走路に着陸したあと、ローカーライザーに衝突する場合、大きな事故に発展する危険性があると、国内外の専門家らは指摘しています。
これまで国土交通部は、安全区域の外にあるローカライザーは、壊れやすい材料で作る必要がないとして、既存のローカライザーに問題はないという立場でしたが、今回の事故を受け、これらの施設について改善することを決めました。
国土交通部は、「ローカライザーに対し、今月中に改善策を設け、年内に改善を完了させることを目標に積極的に推進していく」と明らかにしました。