韓国の中央銀行にあたる韓国銀行は、来年の政策金利をさらに引き下げると発表しました。来年の金利戦略に関する報告書に「引き下げ」を明記したのは異例のことで、政治や経済をめぐる不確実性などを踏まえたものとみられます。
 
韓国銀行は25日、来年の通貨信用政策報告書を発表し、金利をさらに引き下げると明らかにしました。
 
韓国銀行によりますと、政治や通商をめぐる不確実性が高まるなど、景気の下振れリスクが大きくなっているため、物価上昇率が安定し、経済の下振れ圧力が緩和されるようにする一方、金利をさらに引き下げるということです。
 
韓国銀行が利下げを予告したのは異例のことで、過去最低水準まで金利を引き下げた2020年にも利下げを明言しませんでした。
 
尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領の弾劾など、今後景気がさらに鈍化する可能性を懸念したものとみられているなか、利下げの幅と時期が注目されます。
 
シティ銀行は、来年1月に韓国銀行が利下げに踏み切るとの見通しを示しましたが、1月に利下げが行われた場合、2007年のリーマンショック以降、初となる3回連続の利下げとなります。
 
ただ、さらなる利下げに有利な環境が整っていないことが課題となります。アメリカFRB=連邦準備制度理事会は、利下げの速度を調節すると明らかにしたほか、為替レートも2009年以降もっとも安い水準の1450ウォン台となっています。