アメリカで、2期目となるトランプ政権が発足するまで残り1か月となって、韓国半導体大手のSKハイニックスは、アメリカ政府からの支援金を受けることが最終的に決まりました。
アメリカ商務省が現地時間の19日、発表したところによりますと、SKハイニックスは、アメリカ政府から4億5800万ドルの補助金と5億ドルの貸付支援を受ける内容の契約を締結しました。
支援額は、暫定的に合意していた4億5000万ドルから800万ドル増額となりました。工場や関連施設の設立にかかる費用などを考慮し、支援規模が拡大したということです。
アメリカ商務省のレモンド長官は、「SKハイニックスへの投資で、アメリカはAIサプライチェーンを強化し、インディアナ州に新たな雇用を創出する」と語りました。
インディアナ州に建てられる工場は、SKハイニックスの初のアメリカ工場で、2028年下半期から、AIの処理に欠かせない超高速で大容量の記憶用半導体「HBM」を量産することを目標にしています。
一方、トランプ氏をはじめ、次期政権の政府関係者らは、バイデン政権で2022年に成立した半導体産業の育成に向けた法律「チップス法」について、「バラマキ政策」だとして、批判的な立場を示しています。
このため、バイデン政権は、来年1月の政権交代を前に、半導体産業の育成に向けた法律「チップス法」の補助金をできるだけ確定させるため、拍車をかけているものとみられます。
これまでに台湾のTSMC、アメリカのインテル、マイクロンなどが最終的な契約を結んでおり、残る主な企業は、韓国のサムスン電子とSKハイニックスだけとなっていました。
サムスン電子は、アメリカ商務省と64億ドル規模の予備的覚書を締結し、現在、最終契約に向けて交渉を行っています。