アメリカのFRB=連邦準備制度理事会が来年の利下げペースを緩める見通しを示したことを受け、アメリカの長期金利が急上昇し、韓国のウォン相場は、1ドル=1450ウォン台前半までウォン安が進みました。
FRBは韓国時間の19日未明、3会合連続で利下げを決定しましたが、来年の利下げ回数を減らす見込みを示しました。この発表を受け、アメリカの長期金利が上昇し、ドルが買われる動きが強まりました。
19日の外国為替市場では、ウォンは1ドル=1453ウォンで取り引きを始め、前の営業日の終値と比べて17ウォン以上のウォン安となりました。その後やや回復し、午後3時半時点では1ドル=1451.9ウォンで取引されています。ドルに対するウォン相場が1ドル=1450ウォンを超えるのは、2009年3月以来、15年9か月ぶりです。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による「非常戒厳」宣言とその解除直後である今月4日、ウォン相場は一時1ドル=1440ウォン台までウォン安が進みましたが、1450ウォンを超えることはなく、その後は1ドル=1430ウォン前後で動いていました。
19日、崔相穆(チェ・サンモク)経済副総理兼企画財政部長官は緊急マクロ経済金融会議を開催し、「世界の主要通貨がドルに対して大幅な下落を見せる中、韓国でも短期的に相場の変動性が拡大する可能性がある」と述べ、冷静な対応を市場参加者に呼びかけました。
一方、韓国銀行の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は18日、「為替レートが1ドル=1430ウォン台を維持した場合、消費者物価上昇率が0.05ポイント程度上昇する可能性がある」と指摘し、「為替の変動がさらに大きくなる場合には、断固として緩和措置を講じる考えだ」と述べました。