憲法裁判所の在職の裁判官6人のうち、唯一、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が指名した裁判官が、尹大統領をめぐる弾劾審判の主審を務めることになりました。
憲法裁判所は16日、尹大統領の弾劾事件の主審に、鄭亨植(チョン・ヒョンシク)裁判官を指名しました。
主審は、通常は、裁判官が全員が集まって議論を行う評議の司会を務め、弾劾決定文の草案の作成も行います。
このため、尹大統領をめぐる弾劾審判に影響を及ぼすのではないかという見方が出ています。
ただ、法曹界では、事件の規模を考えれば、主審が結論に及ぼす影響は大きくないだろうとの見解が支配的です。
文炯培(ムン・ヒョンベ)憲法裁判所長代行は16日、「誰が主審裁判官を務めても、裁判のスピードや方向に影響を及ぼすことない」と説明しました。
鄭裁判官は、保守派の原則主義者と評価されていて、6人の裁判官のなかでは、最も保守色の強い人物です。
憲法裁判官は、大統領と国会、大法院長がそれぞれ3人ずつ、合わせて9人が指名されますが、大統領が指名する3人のうち、鄭裁判官は去年11月に尹大統領が、残りの2人は先の政権で文在寅(ムン・ジェイン)前大統領が指名しました。
現在、憲法裁判官は3人が空席となっています。