非常戒厳をめぐり、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対し、検察と、警察を中心とする合同捜査本部の2つの捜査機関が相次いで、出頭要請を出しました。
尹大統領は非常戒厳を宣言して政治的混乱を引き起こしたとして、国会で14日に弾劾訴追案が可決され、職務停止となっています。
検察の特別捜査本部は16日、1回目の出頭要請に応じなかった尹大統領に対し、改めて出頭を求めました。
尹大統領は、1回目の要請に対し、「弁護団の選任が終わっていない」として出頭を拒否しましたが、尹大統領の弁護団は16日、検察出身で尹大統領の側近とされる、金洪一(キム・ホンイル)前放送通信委員長が代表を務めることになったと発表しました。
弁護団の選任が完了したことから、尹大統領が近く、検察に出頭するのではないかという見方が出ています。尹大統領が出頭要請に応じない場合、検察は、強制的に身柄を確保することも検討しているということです。
一方、12日に立ち上げられた、警察庁の国家捜査本部、高位公職者犯罪捜査処、そして国防部の調査本部による合同捜査本部も16日、尹大統領に対し、18日午前10時までの出頭を要請しました。
合同捜査本部は、各捜査機関の捜査の重複をさけるために構成されたものですが、検察が含まれなかったため、2つの捜査機関が、尹大統領の捜査をめぐって競争を繰り広げる、異例のかたちとなっています。
2つの捜査機関が、尹大統領に対し、同時に出頭を要請したことから、尹大統領がどちらを優先するかに対しても、注目が集まっています。