今月3日、「非常戒厳」を宣言した尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と非常戒厳を宣布するよう提案したとされる金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官の内乱罪などでの告発を検察が受理し、捜査を開始したことがわかりました。
今月4日、野党を中心に内乱罪と職権濫用などの疑いで尹大統領と金前国防部長官、戒厳司令官を務めた朴安洙(パク・アンス)陸軍参謀総長を相手に複数の告発状が提出されたことを受け、検察は5日、尹大統領の内乱罪と職権濫用罪について捜査を開始することを明らかにしました。
また、検察は、内乱罪で告発された金前国防部長官に対し、5日、出国禁止措置を取りました。
金国防部長官の辞意を尹大統領が受け入れたことで、公務員の身分ではなくなったことや、逃亡の可能性が指摘されたことを受けた措置とみられます。
内乱罪については、警察だけが捜査権限を持っているため、検察は、ソウル高等検察庁のトップを本部長とする、特別捜査本部を立ち上げ、直接捜査が可能な「職権濫用罪」の捜査を開始し、その後、「直接的な関連性がある犯罪」として内乱罪を捜査する計画です。
憲法上、大統領は在職中に刑事訴追を受けないという「不訴追特権」が適用されますが、内乱罪は例外とされるため、金前国防部長官とともに告発された尹大統領も捜査対象に含めるとしています。
現職の大統領であっても、内乱罪を犯した場合起訴することができますが、今後、尹大統領が内乱罪で捜査対象になり、容疑が認められた場合、「現職大統領への起訴」という、未曽有の事態に発展する可能性もあります。