アメリカ財務省は、トランプ次期大統領の就任を前に、主な貿易相手国が自国の利益のために為替操作を行っていないかチェックする「監視リスト」の対象に再び韓国を加えました。韓国の経常黒字が去年に比べて大幅に増加したことが影響したものとみられます。
アメリカ財務省は現地時間の14日、ことし下半期の為替報告書を発表し、監視対象国に韓国と中国、日本、シンガポール、台湾、ベトナム、ドイツなど、7か国を指定しました。
韓国は2019年度の上半期を除いて、2016年4月から毎回「監視リスト」に掲載されていて、2023年11月からはリストから除外されていましたが、今回再び指定されました。
アメリカ財務省は、2015年に制定された貿易促進法に基づき、アメリカとの貿易額が大きい20の国と地域の為替政策などを分析し、半年ごとに報告書をまとめています。
為替操作国の認定基準は、アメリカに対する貿易黒字が150億ドルを超えているかどうか、経常黒字がGDPの3%を超えているかどうか、そしてGDPの2%を超えるドルを8か月間売り続けるなどして為替介入を行ったかどうかで、このうち2つに当てはまると「監視リスト」に載せられ、3つすべてに当てはまると「為替操作国」に認定されます。
今回、韓国は、150億ドル以上の対米貿易黒字と、GDPの3%以上の経常黒字という、2つの基準に該当し、「監視リスト」に追加されました。
今回の報告書は、第2次トランプ政権発足を控えて発表されたもので、トランプ次期大統領は、アメリカの貿易赤字を問題視し、大規模な関税政策を主張していることから、対米貿易黒字が大きい国を対象に、さらなる措置を講じる可能性も指摘されています。