ノーベル文学賞に決まった韓国の作家、韓江(ハン・ガン)さんの著書が、飛ぶように売れているなか、この本を地域の書店に円滑に供給しなかったという指摘を受けていた韓国の最大手書店の「教保(キョボ)文庫」が、韓江さんの著書の販売数を一時的に抑える方針を明らかにしました。
韓江さんの著書の売り上げは、受賞から6日目となった16日の時点で、100万部となっています。
「教保文庫」は、ソウル光化門(クァンファムン)本店の掲示板に、「地域書店との共存共栄を図るため、今月22日から31日まで、韓江さんの著書の販売を一時中止する」という案内文を掲示しました。
また、「来月1日から販売を再開する予定だが、それまでは近くの書店を利用してほしい」と呼びかけました。
ただ、顧客の便宜を図るため、光化門本店や江南(カンナム)店など8か所に限って、1日に2000部だけ販売するということです。
韓国書店組合連合会は、「『教保文庫』は、地域書店と競争する小売り書店であると同時に、書店に書籍を供給する業者であるにもかかわらず、自社の利益のために韓江さんの著書を地域書店に円滑に供給しないでいる」と批判していました。
韓国では、オンライン書店や大手書店のチェーン店が増えるなか、地域書店の閉店が相次いでいます。