政府が進める大学医学部の定員拡大に反発して、研修医が集団で退職してから半年が経ちましたが、看護師や医療技師もストライキを予告しており、医療の空白がさらに拡大するのではないかとする懸念が出ています。
医療界によりますと、看護師や医療技師などが所属する全国保健医療産業労働組合が、このほど61か所の病院でストライキの賛否投票を行ったところ、賛成が91%で、ストライキをすることが可決されました。
労働組合は、週4日勤務制のモデル事業の実施、速やかな診療正常化、賃上げなどを要求しています。
今回の投票に参加して、ストライキを予告した病院61か所のうち、31か所は国立中央医療院などの公共病院、残りの30か所は民間の病院で、いわゆる「ビッグ5」と呼ばれる規模の大きな病院は、今回のストライキ投票には参加しませんでした。
労働組合は、政府傘下の労働委員会に調停を申請しており、調停に失敗したら、29日午前7時からストライキに入る予定です。
政府は27日、韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理をトップとする関係省庁の会議を開き、ストライキが行われた際の対応策を協議しました。
この席で韓総理は、労働組合に対して、「研修医の離脱で長期間、厳しい状況に置かれている患者と、その家族のためにも、今回のストライキ決定を撤回するよう切にお願いします」と訴えました。