韓国政府は25日、相続税と贈与税の負担を軽減することなどを柱とした、25年ぶりの税制改革に関する法案を発表しました。
今回、政府が税制改革に乗り出したのは、当初は富裕層だけを対象に設けられた相続税の対象が、今では中間層にも広がっているという指摘を受けて、見直しを迫られることなったためです。
現行の相続税法は1999年に最高税率を50%に引き上げ、最高税率の課税標準額を50億ウォンから30億ウォン以上に引き下げて以来、25年間維持されてきました。
しかし、その間、韓国の物価はおよそ80%上昇し、資産価格が高騰したことで、相続税の課税対象は14倍以上に増えています。
このような現状を踏まえ、今回の改正案では最高税率を50%から40%に引き下げ、最低税率10%が適用される課税標準額を1億ウォン以下から2億ウォン以下に調整しました。
また、控除額の限度も引き上げられます。子どもが相続する場合の控除額は、現行の1人当たり5000万ウォンから5億ウォンに引き上げることで、多子世帯の負担が大幅に減るものとみられます。
一方、改正案には少子化対策も盛り込まれました。
結婚による税額控除が新設されることで、新婚夫婦の場合、1人当たり50万ウォンずつ、最大100万ウォンの税額控除が受けられ、子どもの控除額も1人当たり10万ウォン引き上げます。
この改正案は来月の国務会議を経て、9月の通常国会に提出される予定ですが、今回の税制改革で、税収はおよそ4兆3千億ウォン減少するとみられていて、立法に至るまでには多くの議論が予想されます。