韓国の衣食住に関する物価が、OECD=経済協力開発機構の平均に比べておよそ60%高いことがわかりました。
韓国銀行が18日にまとめた報告書によりますと、韓国の衣食住に関する物価は、OECD平均の1.6倍で、なかでもリンゴ、豚肉、牛肉、ゴルフ場の利用料、男性用のスーツなどが突出して高く、OECD平均の2倍を超えるということです。
韓国の農産物の価格が高い原因として、低い生産性や高い流通コストなどを挙げました。
スーツなど衣類が高い原因としては、ブランド品を好む消費傾向や、高い流通コストなどを挙げました。
住宅費もOECDの平均に比べて20%以上高かった一方で、電気・水道料金をはじめとする公共料金は、OECD平均の70%程度にとどまっていて、韓国銀行は、こうした物価の二極化の解消策を探る必要があるとの分析を示しました。
韓国銀行は、「今後、高齢化によって財政余力が衰える一方で、気候変動などの影響で生活にかかる費用は増える可能性があるため、財政出動などによる短期的な対応をとるのではなく、構造を変える対策を探る必要がある」と強調しました。
そのうえで、「インフレーションは、通貨政策で対応できるが、構造的問題によって物価が安定しない場合は、通貨政策だけでは解決できない」と指摘しました。