加工した韓国の鶏肉は、安全管理の基準に達していないとして、これまでヨーロッパへの輸出が禁止されていましたが、韓国政府が28年にわたりEU=ヨーロッパ連合と交渉した結果、去年の末にゴーサインが出され、第一弾として、今週末、鶏肉料理の「サムゲタン」がEUに向け出荷されます。
韓国の農林畜産食品部と食品医薬品安全処は9日、釜山港で、サムゲタンのEU向け輸出の開始を祝うイベントを行いました。
初回の輸出量は8.4トンで、11日に輸出国のドイツに向け出荷されます。
加工済み鶏肉のEUへの輸出に向けた交渉は、1996年に始まりました。
当時、韓国の食品業界にはHACCP(ハサップ)と呼ばれる食品の安全管理の国際基準が本格的に導入されていなかったことに加え、高病原性鳥インフルエンザが頻繁に発生していたことから、EUとの交渉は開始から2年後に中断されました。
その後、韓国国内でHACCPの遵守が義務付けられたことに加え、鳥インフルエンザの予防と検疫体制が改善されたことで、2013年にEUとの交渉が再開され、去年の末、輸出に向けた検疫関連の交渉の手続きが完了しました。
韓国の加工済み鶏肉は、アメリカや日本など28か国に輸出されていて、去年の輸出額は2000万ドル近くに上ります。
農林畜産食品部は、今後、EUへの輸出が本格化すれば、全体の輸出額が2倍に増えるものとみています。