尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の労働組合に対する弾圧を糾弾するとして1日のメーデーに焼身自殺を図った全国組織の幹部が、翌2日に亡くなりました。
亡くなったのは、全国民主労働組合総連盟(民主労総)の江原(カンウォン)支部の幹部です。
政府は、建設現場で雇用を強要するなどの不法行為への対応として、昨年末に国土交通部に専任チームを立ち上げ、200日間にわたる警察の取り締まりを開始しました。
民主労総によりますと、去年末から現在まで建設労組のオフィスと組合員に対する家宅捜索が合わせて13回行われ、40人あまりが対象になったということです。
今回焼身自殺した幹部は、他の組合員2人とともに、組合員の採用を建設業者に強要し、その過程で工事を妨害した業務妨害などの疑いが持たれていました。
この幹部は、遺書で、「正当な労組活動をしただけなのに悔しい。尹錫悦検事独裁政治のいけにえになった」として、尹政権の建設労組への対応を糾弾しました。
建設労組は、現政権による弾圧が今回の事態を招いたとして、大統領室のあるソウルの龍山(ヨンサン)で4日、尹政権を糾弾する闘争決意大会を開くと明らかにしました。
中央大学のイ・ビョンフン教授は、「尹大統領は、建設現場での労組による採用要求は暴力行為だと批判しているが、現場ではそれを不当に感じている」としたうえで、「労働界に対する締め付けが更なる反発を呼び、深刻な事態を招くのではないかと懸念される」と述べました。