ドローンを使って軍事境界線の北側にむけてビラを散布すると予告した脱北者団体に対し、 統一部は、自制を要請したと明らかにしました。
脱北者団体「自由北韓運動連合」のパク・サンハク代表は9日、冬は気圧の関係で風船を使ったビラ散布ができないため、ドローンを使ったビラ散布を準備していると明らかにしました。
これを受けて、統一部は10日、現行法の順守、敏感な南北関係、国民の命と安全などのために、不必要な危険を招きかねないビラ散布は自制すべきというのが「政府の公式な立場」だとしたうえで、「自由北韓運動連合」の関係者にビラ散布を自制するよう要請したと明らかにしました。
もともと、南北軍事境界線付近でビラを散布する行為は、2021年3月に改正された南北関係発展に関する法律で禁じられています。
一方、北韓の無人機が韓国の領空を侵犯したことを受けて、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は4日、今後、北韓による領土侵犯があった場合は「9.19南北軍事合意」の効力停止を検討するよう指示しましが、軍事合意の効力が停止した場合に、ビラ散布や拡声器での放送が法的に可能かどうか、検討しているということです。
「9.19南北軍事合意」は2018年9月、先の文在寅(ムン・ジェイン)政権で行われた、北韓・平壌(ピョンヤン)での南北首脳会談に合わせて締結されたもので、南北軍事境界線付近の地上、海上、空中での敵対行為を中止するという内容が盛り込まれています。