韓国の鉄鋼メーカーと造船会社が協力して高マンガン鋼製のLNG=液化天然ガス燃料タンクを世界で初めて開発し、LNGで動かす原油運搬船に搭載することに成功しました。
高マンガン鋼とは、鋼材にマンガンを11%以上含んだ特殊鋼です。ニッケル合金やアルミニウム、ステンレスに比べて性能や製造コストの面で利点が多く、極低温の液化天然ガスにも耐えられ、コストも大幅に削減できるのが特徴です。
韓国の鉄鋼メーカー「ポスコ」と造船会社「大宇造船海洋」は、10年以上かけて高マンガン鋼製のLNG燃料タンクを開発し、運搬船2隻を船舶会社に引き渡すことになりました。
世界の船舶市場では、環境にやさしい燃料に切り替える動きが進んでいて、2030年には市場規模が今の5倍以上に拡大することが見込まれています。
ポスコは、「高マンガン鋼」の生産量を増やして高マンガン鋼製のLNG燃料タンクをより安く韓国の造船業界に供給するとともに、製作技術をほかの造船メーカーとも共有し、韓国の造船業界の競争力強化に貢献したいとしています。