尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、最近の北韓による明らかな核脅威に対して、「核を通じて得られるものは何もない」と改めて批判しました。
尹大統領は11日、出勤時の「ぶら下がり取材」で、「北韓は継続して核開発と高度化を行い、全世界に脅威を加えている」としたうえで、「核を通じて得られるものは何もない」と述べました。
また、「韓米同盟と韓日米安保協力を基に、堅固な対応体制を構築し、きちんと対応していく」として、国民に対して「経済活動に尽力してほしい」と呼びかけました。
韓日米安保協力や北韓の非核化措置に合わせて経済支援などを行うことを盛り込んだ北韓政策、いわゆる「大胆な構想」が、北韓を非核化に導くうえで今でも有効かという質問に対して、尹大統領は「有効だ」と答えました。
一方、北韓の相次ぐ挑発を受けて「戦術核兵器の再配置」を求める声が一部で出ていることについて、「現段階で公式の立場を表明する問題ではない。韓国とアメリカの官民さまざまな意見を聴取しながら検討している」と明らかにしました。
尹大統領は、大統領選挙期間中の2月、テレビ討論会で「核の共有や韓国による核の保有は、北韓の核保有を認めることになる。そうなれば、問題は非核化ではなく、核軍縮になってしまう」として、戦術核兵器の再配置などに対して否定的な立場を示しています。