尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が先月、ソウル市内の警察署の地区隊を訪れた際、警察官1人あたり1丁の拳銃を所持させる案を検討するよう指示したことがわかりました。
尹大統領は先月29日、ソウル西大門(ソデムン)区にある新村(シンチョン)地区隊を訪れ、非公開の懇談会を開きました。
新村地区隊長は懇談会で、地元の治安状況について「流動人口が多く、暴力や性犯罪などで夜間の通報が多い」と説明しました。
これに対して尹大統領は、「凶悪犯への警察の強力な対応が必要だ。警察官1人あたり1丁の拳銃を所持させる案を検討する必要がある」と話したということです。
現在、地区隊や交番の警察官に対しては3人に1丁程度の拳銃が与えられています。
1丁の拳銃を複数人の警察官が交代勤務をしながら交互に使っています。
しかし、通常3~4交替勤務をするため、実際には拳銃が足りない状況ではないとされます。
警察はまず、警察署の遊休銃器を再配備したあと、段階的に普及を拡大する方針です。
警察庁の関係者は、「1人1丁の銃器所持については、すでに10年あまり前から議論が続いてきた。現場警察官と捜査部署からさきに所持させる案を考慮していて、すでに予算の確保にも着手した」と説明しています。