日本を訪問している朴振(パク・チン)外交部長官は19日午後、首相官邸を訪れて、岸田首相と面談し、韓日関係改善に向けた尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の強い意志を伝えました。
これに対して、岸田首相も「両国間で対話が続くことを願う」と述べたということです。
会談で朴長官は、安倍元首相の死去に関する尹錫悦(ユン・ソンヨル)大統領からの弔意のメッセージを伝えました。
朴長官は会談の後、記者団に対して、「両国間で共通の認識が共通認識が生まれれば、首脳会談も自然に行われるだろう」と述べました。
これに先立って、日韓議員連盟会長の額賀福志郎元財務相に会い、両国関係の改善方法について意見を交わしました。
この中で、朴長官は、徴用工問題について「望ましい解決策を求めて官民協議会を開催するなど努力をしている」と述べたほか、日本側にも「誠意ある対応」を求めました。
これについて、額賀氏は韓国側の官民協議会の議論を踏まえ、「どのようにすれば前に進められるのかを考えるのが我々の仕事だ」と強調したということです。
朴外相はこの後、自民党本部で茂木幹事長と会談するなど、自民党の関係者と相次ぎ会談しています。
これに先立って、朴長官は18日、林外相と4年7か月ぶりとなる韓日外相会談を行いました。会談では、元徴用工への賠償金をめぐって日本企業の韓国内資産の現金化問題などが取り上げられましたが、朴長官は今月活動をスタートした官民協議会について説明し、「現金化される前に望ましい解決策を講じられるよう努力する」と明らかにしました。双方は、元徴用工の賠償問題を早急に解決すべきという点で一致しましたが、「被告である日本企業が賠償に向き合い謝罪をすべきだ」という被害者の声をどのように反映させるかがカギとなっています。
また、朴長官は韓国に対する日本の輸出管理強化も解除すべきだと主張し、この問題をGSOMIA=韓日軍事情報包括保護協定と連携して議論することもできるという考えを伝えました。
そのほか、北韓が7回目の核実験など追加の挑発を行う場合は強力に対応するものの、対話の扉は開かれている点も再確認しました。
一方、90日以内の短期滞在者に対するビザなし入国についても議論されましたが、両国とも新型コロナウイルスが再拡散しているため、具体的な再開時期は決められませんでした。
朴長官は20日、今回の日本訪問について説明する記者会見を開いたあと、帰路に就く予定です。