文在寅(ムン・ジェイン)前政権時代に、脱北を希望する北韓の男性2人を北韓へ強制送還した事件をめぐり、与野党の対立が激化するなか、統一部は18日、強制送還する様子を撮影した映像を公開しました。
映像はおよそ4分の長さで、北韓への引き渡しの際に、北韓の男性が南北の軍事境界線の前でうなだれる様子などが収められています。
映像をめぐって、与党「国民の力」は「脱北者たちは韓国の国民としての基本権も保証されず、手を縛られ処刑場に向かう囚人の如く無理やり歩かせられていた。深刻な人権蹂躙が行われていたことが浮き彫りとなった」として、前政権の対応を批判しました。
一方、最大野党の「共に民主党」は、統一部が映像を公開したことについて、「なぜ統一部が先頭に立って、南北の対立を深めようとしているのか、理解できない」と批判しました。
そのうえで、「もし脱北者が純粋な理由で脱北を希望していれば、強制送還は行われなかった。脱北者は16人を殺害した凶悪犯だったため、我々とは共存できないと判断したまでだ」として、前政権の対応を擁護しました。