北韓が開城（ケソン）工業団地にある韓国所有の工場を、無断で操業させていることについて、韓国統一部は、明白な南北合意違反だとして、韓国企業の財産権の侵害に対して必要な措置を検討していくことを明らかにしました。
開城工業団地は、南北歩み寄りの象徴として北韓開城市の330万平方メートルの敷地に、韓国企業123社が工場を建てて2004年末から操業していましたが、南北関係の悪化で2016年2月から閉鎖されています。
統一部の当局者は12日、最近、開城工業団地内での火災や、韓国所有の車両の動きなどが確認されたことについて、「工業団地内で韓国側の工場の一部を無断で操業しているものと判断される」と述べました。
そのうえで、開城工業団地や金剛山（クムガンサン）の観光施設など、韓国企業の財産に対する北韓の侵害について、「侵害行為を止めるよう要請した。北韓の今後の態度を見守りつつ、必要な措置を検討していく」と強調しました。
統一部は11日、「明白な南北合意の違反であり、わが国の財産権に対する違法侵害だ」として遺憾の意を表明しています。
これに先立って北韓の朝鮮中央テレビは、開城の猛暑を報道する映像で、現代（ヒョンデ）自動車の開城工業団地の通勤バスが、市内を走っている姿を放送しました。