与党「国民の力」の李俊錫(イ・ジュンソク)代表が過去に民間企業の性的接待を受け、その証拠の隠滅を教唆したとされる疑惑で、党の中央倫理委員会から6か月の党員資格停止処分を受けたことについて、「国民の力」の権性東(クォン・ソンドン)院内代表は8日、「懲戒決定後すぐに効力が発生して党代表の権限が停止されるものと解釈している」と述べました。
権代表は、李氏の党代表としての権限が停止されるもので、代表を退くわけではないため、院内代表である自分が党代表の職務を代行すると説明しました。
党執行部が総退陣する可能性については、「最高委員らと協議したことはない」と述べました。
李俊錫代表の党員資格停止処分は、来年1月12日まで6か月の任期を残しての事実上、李俊錫体制の終焉を意味するもので、「弾劾」だと指摘する声が出ています
李俊錫氏は、37歳の異例の若さで党代表に抜てきされ、大統領選挙と統一地方選挙を勝利に導きましたが、政治生命が絶たれる危機に立たされています。
「国民の力」は、党大会を開いて新しい代表を選出する可能性が取り沙汰されており、その場合、新代表の任期を李代表の残りの任期とするか、2年とするかも決めなければなりません。
新しい党代表は、2024年4月に予定されている国会議員選挙の公認候補の選定で影響力を発揮できるため、党内の権力争いはさらに激化するものとみられます。
李氏が懲戒処分に対抗する構えを見せていることから、党内はさらに混迷を深めるとみられます。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、李氏の懲戒処分を受けて党内で混乱が生じていることについて、「党務に言及するのは適切ではない」と直接的な発言を避け、「すべての党員が力を合わせて困難を早期に克服することを期待している」と述べました。