与党「国民の力」の中央倫理委員会は８日、性的な接待を受けた証拠の隠滅を教唆した疑いが持たれている李俊錫（イ・ジュンソク）党代表（37）に対して、党員資格停止６か月の懲戒処分を決めました。
李氏をめぐっては、IT企業の代表から2013年に性的な接待を受けた疑惑があると動画投稿チャンネルが昨年末に報道していて、側近議員が情報提供者に口止めの見返りとして投資を約束した疑いが持たれています。
李氏は疑惑を真っ向から否定し、動画投稿チャンネルの代表らを名誉棄損の疑いで告訴していますが、与党の倫理委員会は4月21日から李代表に対する懲戒手続きを始めていました。
そして、７日夜から8時間にわたって審議が行われ、李氏は潔白を主張しましたが、倫理委員会は「李氏の釈明は信じがたい」と判断し、党員としての礼儀に反する言動で党の名誉を失墜させたとして、党員資格停止６か月の懲戒処分を決めました。
また直接、証拠隠滅をはかった疑いのある李氏の側近議員に対しては、党員資格停止２年の処分としました。
委員会は、李氏が性的な接待を受けたという疑惑については「審議の対象ではないため判断しない」とし、「これまで李代表が党に貢献したことを考慮して決定した」としています。
李氏は８日、KBSのラジオ番組で、党代表を退く考えを全面否定し、法的措置を取るなど徹底抗戦すると表明しました。
与党の現職代表に対する重い懲戒処分は史上初めてのことで、今回の決定で党内の権力争いが本格化し、混乱が増すのは必至です。