韓国国防部とアメリカ国防総省は来月アメリカ・ワシントンで韓米統合国防対話(KIDD)を開き、先月の韓米首脳会談で合意した拡大抑止力の強化に向けた具体策を協議するとみられています。
韓米統合国防対話は、両国国防相による定例の安保協議(SCM)での合意にもとづいて設置されたもので、年2回開かれています。
国防部の消息筋が20日明らかにしたところによりますと、ことし上半期は5月に開催される予定でしたが、韓国側の首席代表を務める国防政策室長のポストが空席となっているため延期され、両国は7月に開催することで暫定合意しました。
北韓の動向や韓半島情勢などを考えると、7月中旬前に開かれる可能性が高いとみられています。
両国は、今月12日にシンガポールで開かれた国防相会談で、北韓が核実験を行う場合、アメリカ軍の戦略兵器を韓半島に迅速に展開することで合意しており、今回の韓米統合国防対話では核攻撃に備えた両国の合同演習など拡大抑止力を強化するための追加措置について重点的に話し合うものとみられます。
国防部の関係者は、「拡大抑止の実行力向上が中心議題になるだろう。この中には合同訓練や戦略資産の展開などが含まれる」と話しています。
アメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード(THAAD)」が配備されている慶尚北道(キョンサンブクド)星州(ソンジュ)郡の韓国駐留アメリカ軍基地の運用正常化や新しい合同作戦計画の策定、アメリカ軍基地の返還、インド太平洋地域での安全保障協力なども議題になるとみられています。
北韓の核・ミサイル挑発により緊張が高まるなか、北韓に対して強硬な姿勢を示す尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権発足後初めて開かれる今回の会議は、去年9月に行われた前回の会議とは違う雰囲気で行われるものとみられています。
去年の会議では、会議後に国防部が声明を発表し、「外交と対話を再開することが重要だ」として対話路線を強調していました。