北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は12日、ソビエト崩壊によるロシアの誕生を祝う記念日に合わせてプーチン大統領に祝電を送り、ロシアへの支持を改めて表明しました。
北韓の朝鮮中央通信は12日、金委員長がソビエト崩壊によるロシアの誕生を祝う「ロシアの日」に合わせてプーチン大統領に祝電を送ったと報じました。
金委員長は祝電で、「プーチン大統領の指導のもと、国の尊厳や安全、発展を守るため、正義の偉業の実現に向けてすべての難関に打ち勝ち、大きな成果を収めている」としたうえで、「わが人民は、これに全面的な支持と声援を送っている」と強調しました。
「正義の偉業」に関する具体的な言及はありませんでしたが、ロシアのウクライナ侵攻を指すものとみられます。
金委員長はまた、2019年4月にロシアのウラジオストクでプーチン大統領と初めて会談してから両国関係が発展していると強調したうえで、「国際的な正義を守り、世界の安全を保障するために、両国の戦略的協力がさらに緊密になっていくと確信している」と強調しました。
弾道ミサイルの発射を繰り返す北韓に対して制裁強化を求める声が上がっているなか、ロシアは先月、国連の安全保障理事会で北韓への制裁決議案に拒否権を行使し、反対しました。
そのため、北韓はウクライナ侵攻で国際社会から批判を浴びているロシアを積極的に支持することで、ロシアに引き続き後ろ盾としての役割を期待する狙いもあるものとみられます。