収賄罪などで服役している李明博(イ・ミョンバク)元大統領の恩赦について賛否の議論があることについて、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は29日、「司法の正義と民意を見極めて判断する」と述べました。
青瓦台のホームページに設けられた「国民請願掲示板」は、文在寅政権発足100日を迎えた2017年8月19日に設置され、国民誰もが自由に書き込みを投稿することができ、20万人以上が支持した書き込みには青瓦台が公式に回答することになっています。
最近、「国民請願掲示板」に李明博元大統領の恩赦に反対する内容の書き込みが寄せられ、これに対して青瓦台は29日、文大統領の回答映像を公開しました。
この中で、文大統領は、「まだ原論的な答えしかない」としたうえで、「書き込んだ人は、反対の理由として、腐敗犯罪に対する寛容のない処罰の必要性と、反省の態度を示していないことをあげている。同じ意見を持った国民が多い」とする一方で、「国民の融和と統合のために恩赦すべきとする意見も多い。司法の正義と民意を見極めて判断する」としました。
文大統領が「賛成意見も多い」と言及したことから、任期をあと10日残すなか、文大統領が近く李氏の恩赦を行う可能性に注目が集まっています。
青瓦台には最近、宗教界や市民団体、経済団体などから李明博氏や文大統領の腹心で与党陣営によるインターネット上での不正な世論操作に関与したとして業務妨害罪で服役中の金慶洙(キム・ギョンス)前慶尚南道(キョンサンナムド)知事らの赦免を求める声が寄せられています。
文大統領はまた、尹錫悦(ユン・ソンニョル)次期大統領が進める大統領執務室の移転に反対する内容の請願については、「個人的には同感だ。巨額の費用をかけてまで移転しなければならないのか疑問だ」としながらも、「次期政権が必ず移転するというならば、退く政権としては混乱を増大させることはできないのが現実だ」と述べました。
文大統領はそのうえで、「執務室移転の過程で安全保障と警護の空白が発生しないようにするために心血を傾けている」と述べました。